「アジャイル」の意味とは?使い方・例文など

「アジャイル」の意味とは?使い方・例文など

近年よく耳にするようになった言葉に、「アジャイル」というものがあります。主にIT業界で使われる用語ですが、最近ではそれにとどまらず、経営や働き方にまで用途が広がっています。しかし、その詳しい内容については、まだよくわからないという人も多いでしょう。

そこで今回は、「アジャイル」の意味や使い方を、例文を交えて紹介していきたいと思います。

「アジャイル」の意味

「アジャイル」とは、英語で「敏捷」「素早い」などの意味を持つ単語「agile」をカタカナにしたものです。スポーツなどにおける「敏捷性・機敏性」を「アジリティ(agility)」と表現しますが、これは「agile」の名詞形になります。日本では、「アジャイル開発」「アジャイルでやる」のように使われます。

「アジャイル」は、ビジネス用語としては主にIT業界で使われており、システムやソフトウェア開発の技法を指す言葉となっています。簡単に言えば、開発の単位を細かく区切り、それぞれで実装とテストを反復しつつ開発を進めていく手法になります。

「アジャイル」の考え方が初めて提唱されたのは、2001年の「アジャイルソフトウェア開発宣言」においてでした。これは、当時米国ユタ州でプログラマーなどが集まって行った議論をまとめたもので、ソフトウェア開発における心構えと、それにまつわる12の原則が定義されています。それによると、アジャイルソフトウェア開発においては、「顧客満足の最優先」や「変化への素早い対応」、「動くソフトウェアの短期間でのリリース」といったルールを守るべきとしています。

「アジャイル」の手法

「アジャイル」の意味や歴史について見たところで、ここではその具体的な手法について紹介していきましょう。

上で述べたように、「アジャイル」とはソフトウェア開発の概念を示した言葉です。開発における「考え方」を表すものであり、その実現については、いくつかの手法が存在します。その1つに「スクラム」というものがありますが、一般に「アジャイル」という時、多くの場合でこの「スクラム」のことを指すようになっています。では、「スクラム」の具体的なやり方について見てみましょう。

「スクラム」とは

「アジャイル」における「スクラム」とは、先に述べた通り、開発の単位を細かく区切り、短いスパンで反復期間を設けるというものになります。具体的には、まず開発を始めるにあたって、開発対象を小規模な単位に分解します。これは、製品への要望に応じて、優先度の高い機能の順に並べ替えられます。続いて、プロジェクトの開発期間を「スプリント」と呼ばれる最長4週間の短い期間に分け、それぞれで「計画」「要求分析」「設計」「コーディング」「テスト」などの工程を反復します。この反復によってクオリティを上げる作業をおこないつつ、製品を完成させるという流れです。

「スクラム開発」においては、メールや文書による伝達は極力排し、ミーティングによるコミュニケーションを重視するところに特徴があります。「スクラム」の名称は、ラグビーで小集団を作ってぶつかり合う同名の戦術に由来しています。チームのメンバーは、プロジェクトの進め方などに問題がないかについて、お互い毎日確認し合うことが求められます。

「スクラム」のメリット・デメリット

「アジャイル」においける「スクラム開発」のメリットは、第一に「短期間で最大限の成果が上げられる」という点にあります。優先度の高い機能の順番に開発を進めるため、短い期間でも高い成果が望めます。また、短期間ごとに開発を区切るという方法により、工数見積もりが正確になるというメリットもあります。そのほかにも、頻繁にミーティングを行うことで問題の発見が早まり、素早い対応がしやすいというメリットや、定期的な確認によって軌道修正も図りやすいなどのメリットがあります。

一方、「スクラム開発」にはデメリットもあります。まず1つは、「習得するのが難しい」という点です。従来型の開発とは大きくやり方が異なるため、習得に時間がかかり、場合によってはスムーズに移行できないこともあります。さらに、チーム全員に「スクラム」についての理解が求められるため、中途半端に導入すると、返って失敗してしまうリスクもあります。また、細かいフィードバッグのために顧客の協力が不可欠になる点や、全部でどれくらいのスプリントが必要になるか分からない点も、「スクラム」の難点に挙げられます。

「アジャイル」の使い方・例文

それではここで、ビジネス用語としての「アジャイル」の使い方を、例文付きで紹介していきましょう。上でも少し触れたように、「アジャイル」はIT業界において、「アジャイル開発」といった使い方が多くされるようになっています。具体的には、以下の様な言い回しで使われます。

  • 例文:素早いサービスリリースを目指すなら、アジャイル開発が最適だ
  • 例文:アジャイルに取り組むにあたっては、「スクラム開発」の認知を徹底させる必要がある
  • 例文:これまで主にウォーターフォールで取り組んできたが、今度から本格的にアジャイルでやることになった
  • 例文:アジャイル開発を取り入れたおかげで、個々のメンバーの責任感が増した

上のような使い方がされる一方で、「アジャイル」は現在、ソフトウェア開発に限らず企業経営や働き方に関する用語としても使われるようになっています。以下では、そうした場合の例文について挙げてみましょう。

  • 例文:アジャイル型経営は、変化への素早い対応が求められる現代において、ますます注目度が高まっている
  • 例文:これからはトップに権限を集めるのではなく、各社員に権限を分散させるアジャイル型組織を目指すべきだ
  • 例文:変化に強いアジャイル型の人材を育てることが、先の見えない時代を生き抜くためのポイントになる

「アジャイル」と「ウォーターフォール」との違い

ところで、「アジャイル」との比較でよく引き合いに出されるのが、「ウォーターフォール」と呼ばれる手法です。ソフトウェア開発における「ウォーターフォール」は、企画段階で機能を全て決定し、工程を1つ1つ区切った上で、それぞれを決まった技術者が担当して次へ繋いでいくという手法になります。全体の流れが一方向に決まっており、後ろに戻らないことから、「ウォーターフォール(滝、落水)」の名で呼ばれています。

「アジャイル」が開発途中で仕様の追加などの変化に対応できるのに対し、「ウォーターフォール」では、一度動き出した流れは変更できません。また、「アジャイル」は反復ごとに素早くサービスを提供できるのに対し、「ウォーターフォール」は全工程の終了後に利用が可能になるため、提供が遅くなるという違いもあります。

最後に

以上、「アジャイル」の意味や使い方について紹介してきました。例文で示した通り、「アジャイル」は「アジャイル開発」や「アジャイルでやる」などのように使われるのが一般的です。また、「アジャイル型経営」のように、最近では一般的なビジネス用語としても使われるようになっているので、基本的な意味についてしっかり押さえておいた方がよいでしょう。

Source: 社会人の教科書

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